プロの翻訳プロセス教えます

workflow

翻訳者は仕事を受け、翻訳して納品する。それはあたりまえのことだが、「翻訳者が実際にどのように仕事を受けて納品しているのか」という情報はあまり開示されていない。

ぼくなりのやつを紹介しよう。

Aiden
Aiden

これがAiden流、翻訳プロセスだ!

この記事の対象者

他人の翻訳プロセスが気になる翻訳者
翻訳者になりたい、だからプロの翻訳プロセスを学びたい人
駆け出しの翻訳者でプロのやり方をパクりたい人

この記事の内容

Aiden流、プロの翻訳プロセスの紹介。これをパクれば、きみも立派な翻訳者だ。

プロセステンプレートを決めておくこと

Aiden
Aiden

自分のワークフローを決めておくと、作業をルーティン化できるので効率よく案件を受けることが可能だ。

あなたには、「こういう案件がきたら、こういう作業をして納品する」というワークフローの型があるだろうか。毎回行き当たりばったりの仕事の受け方では効率化が難しくなる。

翻訳の仕事には、いくつかタイプがある。ゲーム翻訳、映像翻訳(字幕)、ドキュメント翻訳(マニュアルとか)、ニュース翻訳(毎日のとか)。これらに合ったワークフローをあらかじめ用意しておくと、作業のプランニングに時間をかけることなく、すぐに作業に入ることが可能だ。

今回は一般的な作業フローを紹介しよう。

一般的なワークフロー
  1. 説明、作業ファイル、参照ファイル、見積もり、ワードカウントの確認
  2. 翻訳開始
  3. 編集
  4. QA
  5. プルーフリーディング
  6. 納品
  7. アフターケア

説明、作業ファイル、参考資料、見積もり、ワードカウントの確認

まず、実際の翻訳作業を開始する前にプロジェクトの詳細を把握しなければならない。中途半端に開始してしまえば、後の修正作業にものすごい労力と時間が必要になってしまう。

質問があれば、最初の時点で問い合わせを行い、問題を解決しておく。

見積もりやワードカウントについても、プロジェクトを承諾したときのものと違わないことを確認しておく。もし、後から違うことがわかると、何かとトラブルになるため、最初の時点で行うことが大事だ。

翻訳開始

プロジェクトを理解し、参照ファイルに目を通したら実際に作業に移る。翻訳作業を開始すれば当然、原文に対する質問が浮上してくる。しかし、すぐには質問しない。クライアントがクエリーシートを用意している場合は、そこに質問を書き込む。

特にない場合は、自分のテンプレートを用意しておき、そこに質問を書いておく。

質問のシートを送る頻度は、プロジェクトに規模にもよるが、数日単位であれば1日の終わりに、その日の作業分の質問をまとめて送る。効率が悪くなるので、思いつきで1つずつ送ったり、最後の最後まで待ってから送ったりはしない。

一番良い方法は、クエリーシートをGoogle Driveなどのクラウドに共有状態で配置しておくことだ。これなら、時間やタイミングに制限されることなく、質問をリアルタイムに書き込め、クライアントも好きなタイミングで回答を行うことができる。

編集

翻訳を終えたからといって見直しもせずに提出してしまうのは問題外だ。見直しをするのは当然だが、これを行う前に編集を行うと全体的な完成度を高めることができる。

編集作業では、他の人の翻訳をレビューするように、気持ちを切り替えて最初から訳を細かくチェックしていく。「思い込みの訳はないか」、「勘違いはないか」、「誤訳はないか」。そして「ミスは100パーセント存在する」、これを念頭に置いてチェックすることが大切だ。

この作業が一番神経を使うのかもしれない。

QA

Quality Assurance(品質保証)には、いろいろな定義がある。ぼくのやり方では、用語、数字、タグ、スペースなどのエラーをQAツールを使用してはじき出す。

ツールはいろいろあるが、XbenchやVerifikaを使用する。これらのツールは用語集を入れることで、不一致の用語を洗い出すことや、数字の不一致を検出することができる。

また、このプロセスにおいてはスタイルガイドに今一度目を通して、スタイルの不一致も確認する。半角スペース、半角括弧など、プロジェクト特有のものもある。複数のプロジェクトを掛け持ちしていると、ついどちらかのスタイルガイドにつられてしまうことがある。このようなミスには特に気をつけるようにしなければならない。

プルーフリーディング

プルーフリーディングにも多くの定義があるだろうが、ここでは、日本語に目を通して読みやすさを確認することを意味する。

レビューの心得」でも書いたが、フォーマットが違うだけでも見え方が違うので、可能であれば印刷したり、タブレットにファイルを移動させ、頭を「リーディングモード」に切り替えて文書を読む。

この作業は可能であれば、少し時間をおいてから行うといい。頭をリフレッシュさせて、新鮮な気持ちで初めからテキストに向き合うような状況が最適だ。

納品

ここでようやく納品するわけだが、ただ単にファイルを送りつけるのではない。

送る前にもう1度、作業ファイルを確認して、正しいファイルを送るように気をつけよう。ファイル名にも気を配り、説明通りのものを提出するようにする。

また、納品のときには、気がついた点やプロジェクトの全般に関するフィードバックも添えると、クライアントから喜ばれることもある。また、原文に問題が多かった場合なども、説明を行い、必要に応じてレポートも加えるとよい。

アフターケア

納品したんだから、それでもうおしまい」という態度では、今後そのクライアントとうまく付き合っていけない。納品後も翻訳に関する質問や、細かい修正などを頼まれることがあるので、フォローアップメールには、しっかりと答えるようにしよう。

また、翻訳したテキストがパブリックに公開されるようなことがあれば、ぜひ公開後のテキストを確認しにいこう。自分のテキストが公式に公開されているものを見るのも非常に勉強になる。「あ、ここは、こうしたほうがもっとよかったな」、「次はこういうところに気をつけよう」など、自分だけの反省会をやるといい。

さいごに

今回紹介したワークフローは、あくまでぼくの個人的なやり方で、一般分野に対するものだ。もちろん、ゲーム翻訳には、ゲーム翻訳なりのワークフローもある。映像翻訳やトランスクリエーションともなれば、また別のワークフローを用意しなければならない。

どんなものであっても、自分なりの型を決めておくと、作業効率を向上しやすくなる。いろいろ実験してみるのもいいだろう。

コメント

  1. […] 前回は、実務翻訳プロセスについて説明した『プロの翻訳プロセス教えます』を書いた。今回は、その続編『プロのレビュープロセス教えます』を用意した。 […]

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