東京都心と千葉県を結ぶ美しいアクアライン。 1997年12月よりサービス開始し、それ以来多くの外国人や観光客などでにぎわう美しいパーキングエリア。そこで見られる景色は非常に魅力的だ。
しかし、外で景色を眺めていると、美しくないものが目に入る。
その「醜いもの」とは異常な数にわたる注意書きだ。これらはただの注意書きではない。非常におかしな内容であった。
「不法投棄禁止。不法投棄は犯罪です」
これは日本語としておかしくないだろうか。不法投棄というのは、その文字通り、「法律で許可されていない投棄」だ。法律で許可されている投棄というのも変だが、それをわざわざ観光地の海辺で許可するわけはないだろう。話を戻すが、不法投棄をを禁止とはどういうことか。不法、つまり、法律でダメなのだから、それを禁止というのはおかしい。
そもそも不法投棄とは何か
刑事事件弁護士ナビでは、不法投棄を以下のように説明している。
不法投棄(ふほうとうき)とは、法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に反して決められた処分場以外に、廃棄物を投棄することです。「ちょっとくらいなら」と、ゴミを不法に捨ててしまうことがあるかもしれませんが、不法投棄には罰則が設けられていますし、場合によっては逮捕されてしまうこともあるのです。
刑事事件弁護士ナビ https://keiji-pro.com/columns/101/
「ちょっとしたゴミでも、所定の場所以外で捨てると、罰せられますよ」、ということらしい。
不法投棄というと「トラックなどがやってきて、産業の廃棄物などをどっさり捨てていく」というイメージはないだろうか。
「ゴミをむやみに捨てるな」というメッセージであれば、サービスエリアの入り口に注意書きを設けて、違反した場合は罰金でも徴収すればいい。そして、その罰金で新しい設備をつくってもいいだろう。
ゴミが散らばった観光地も見た目が悪くなるのは確かだ。だが、あのような警告を所々に貼り付け、ゴミなど捨てない一般常識を持った大部分の人々に強制的に見せるはどうだろうか。
この警告版の大きく赤い文字は美しい景色を台無しにしてしまっている。
アクアラインの施設で気になることはもう1つあった。
施設の入り口のドアに貼られた注意書。
「危険物持ち込み厳禁」
これもおかしい。そもそも危険物とはなんだろうか。銃やナイフか、爆発物や化学薬品か。こんなものを持ってくる人はまずいないだろう。いや、もしいるとすれば、それは明らかにこれから犯罪行為を実行しようとしている者だろう。テロや無差別殺人など、これらを企む人がいるかもしれない。たしかにそういう者もいるだろう。しかし、仮に「これから危険物を使ってやろう」と考える人物がこれを見たらどうだろう。「ああ、危険物持ち込み厳禁と書かれているから、今日はやめておこう」と思うだろうか。このメッセージは意図がわからないだけでなく、99.9パーセントの人々には無縁なものである。それなのに、赤い文字で警告するなど、ごく普通の観光客を侮辱しているとさえ思える。
海ほたるは美しい観光地
さいごに
日本では、さまざまな場所で、「〜しないでください」、「〜にご注意ください」と警告がうるさすぎではないだろうか。多くの人は気にならないのかもしれないが。ゴミは観光地を汚してしまう。これは確かだが、こういった大部分の人々には関係のない警告や注意を垂れ流すのも、環境を汚染しているとは思えないだろうか。
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