リモートワークをうまくやるためのヒント

新型コロナ騒動でリモートワークが導入され戸惑っている人も多いだろう。そこで、長年リモートワークを経験している視点からいつくかヒントを。

リモートワークを成功させるコツは、環境と時間の使い方にある。

会社のマシンではプライバシーはないと思え

普段は出勤して仕事をしているのであれば、おそらく会社からマシンが支給されることだろう。これを使う場合は注意が必要だ。

会社のマシンはプロプライエタリのファームウェアが組み込まれている場合が多い。簡単に言えば、同じWindowsやMacでも、会社独自のシステムが組み込まれていて、その利用状況が会社に筒抜けになるということだ。

また、セキュリティ上の理由からVPN経由で会社のシステムに接続する場合も、会社がトラフィックの詳細を監視している場合がある。

普通に使用する分には問題ないが、プライベートなこと（業務以外のこと）をする場合は注意したほうがいい。動画を見たり、株式の取引をすることは、会社資源の乱用と見なされることにもなりかねない。このあたりの厳しさは会社によって違うが、トラブルは事前に防ぐべき。

会社のリソースは会社のことをやるためだけに使用したほうがよい。

プライベートな作業や娯楽は自分のPCを使うべきだ。

環境を整えよ

仕事をしやすい環境を整える必要がある。いくつかあるのでリストアップしよう。

作業姿勢は長時間の作業に非常に重要だ。会社のデスクや椅子は、ファシリティが社員の健康を考慮して選んでいる場合も多い。その場合、家で作業すると体が痛くなったりすることがある。机と椅子への投資はケチってはいけない。

超高級な物を購入する必要はないが、快適な姿勢を保てるものを入手するようにしたい。そこまで予算がないという場合は、せめて快適な椅子を入手しよう。

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キーボードとマウスもケチらずに投資することをおすすめしたい。長時間使用するため、安物を使えば手を痛めることになり、結果的に効率低下につながる。おすすめなキーボードはHHKBシリーズ、マウスはLogicool MX Master 3だ。これらについては、レビュー記事を書いているので、ぜひ参照されたい。

少し出費がかさんでしまうが、効率良くマルチタスクをこなすには当然広いデスクトップスペースが必要となる。ノートPCの画面1つでは心細いので、外部モニターがあると便利だ。

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朝の時間をフルに活用せよ

「早起きは3億の得」という本がある。リモートワークにとって、早起きは効率アップの鍵となる。

通勤していた時間よりも早く起床して、家族がまだ寝静まっているうちに仕事をどんどんこなしていくとよい。

朝は脳の回転が良いことはさまざまな研究で明らかになっている。

「通勤がないのだから、9時まで寝ていよう」と考えるのではなく、通勤がないのだから、その分仕事を早く終わらせることができると考えればいいい。

フレックスなど時間を柔軟に設定できるのなら、朝の時間をフルに活用すれば午後に早く仕事からあがることができる。そうなれば、子供遊ぶなり、家族と過ごしたり、いくらでも時間ができる。

例：5時起床、5時半仕事開始、8時半家族の起床に合わせて休憩、12時昼休憩、13時〜15時まで仕事、終わり

飲み物は自前

「会社に行ってるときは、自販機やコーヒーショップの飲み物を飲んでいた」という人は、ぜひとも自分で飲み物を作ってみるといい。

コーヒーメーカーを持っているいるなら、常時飲めるようにつくっておくのもいいし、必要に応じて購入してもいいだろう。

「コーヒーメーカーは面倒だが、うまいコーヒーが飲みたい」というのならドリップコーヒーがおすすめ。一袋ずつのパッケージなので手頃だ。電気ポッドにお湯を常に用意しておけば、すぐにおいしいコーヒーがいれられる。

ネスレ スターバックス オリガミ パーソナルドリップコーヒー ハウスブレンド ×2箱

お茶が好きであれば、さまざまなバリエーションのティーパックを用意したり、粉末タイプの抹茶を用意すればいい。自販機や店で飲むよりも、安価でバリエーションが多く、自分の好みにいれることができる。

トワイニング アールグレイ セレクションファイブ 50P ティーバッグ

また、自宅でも特別なマシンなしで、おいしいラテやモカをいれることも簡単だ。それはまた別の記事で詳しく紹介する。

間食には注意

「リモートワークになって10キロ太りました」なんていうことがよく耳に入る。社内であれば、あるていど周りの目があるので、お菓子をボリボリ食べるということは少ないのではないか。

リモートワークということで、机の上にジュースやポテチを置いて、手が空き次第ボリボリやっていては太るのも当然だ。

しかし、空腹はつらいもの。

ここでお勧めしたいのは、自分で低カロリーのお菓子を用意することだ。

スティックベジタブルは健康面でも非常に良い。作り方も非常に簡単だ。にんじん、セロリ、キュウリなどを持ちやすいサイズに切ってコップにでも刺せばできあがり。

「味なしはつらい」というのなら、ヨーグルトとオリーブオイル、黒酢、塩こしょうでソースを作ればいい。マヨネーズや脂分の多いドレッシングは避けた方がいいだろう。

スルメや昆布も手頃だ。スルメなら、でかいやつを買ってきて、食べやすいサイズに切ればいい。昆布はすでにおやつようのものが売っているので、そのまま食べられる。ただし、これらは塩分が高いので、食べ過ぎには注意したい。水分も多くとる必要がある。

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大豆クッキーやダイエットビスケットは、味も良く満腹感も多いので非常におすすめだ。当然、食べ過ぎは良くないが、少しくらい食べてもカロリーが低いため体重増加は防ぐことができる。

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定期的に休憩時間を入れて、子供と遊ぶ時間をつくる

さまざまな封鎖が起きている状態では、子供も家にいることになる。子供もどこにも行けずにストレスが溜まっているので、「静かにしなさい」と言ってもなかなかうまくいかないものだ。

2、3時間に30分でもいいから、休憩時間を設け、そのときに子供と遊ぼう。PS4やNintendo Switchといったコンソールゲームではなく、ボードゲームやカードゲーム、レゴといった従来型の物理的な遊びをすることで自分自身の気分転換にもつながる。

駒やカルタなど伝統的な遊びを教えるのも良いだろう。

ITの知識を見直す

リモートワークに慣れていない人の多くは社内ITに頼ってきたと思う。

ファイルのバックアップ、共有、共同作業ファイルの作成、チャット、ビデオカンファレンスなど。

社内でできていたほとんどの作業がリモートで可能だ。この方法を勉強し、いつ何を頼まれても対応できるようにしておくべきだろう。

脅すわけではないが、リモートワークの推進により、ITに疎い人や、ツールの導入についていけない人はリストラの対象となる可能性が高い。

Google Docs、Google Chat、Google Drive、Zoom/Bluejeans、Slackなど、オンライン作業用のツールを把握し、これらの動かし方を学んでおいたほうがいい。

また、これを機にオンラインのコースを受講してIT能力を高めるのも良い手だと言える。

PCの管理に責任を持つ

自宅のPC環境は、社内IT環境と比べてセキュリティがおろそかになりがちだ。「トロイ、ワームなどのウイルスに感染して大量のウイルス漬けファイルをチームメンバーに送り付けてしまった」といった問題が起こらないようにセキュリティの知識をつけ、保護できるツールを駆使する必要がある。

まず、メールやサイトログインなどには、「2段階認証」を設定するようにしよう。これでパスワードが割れた場合でも、簡単にログインを奪われにくくなる。

メールにリンクが入っているときは慎重に。正当なサイトを装ってリンクをクリックさせ、パスワードを盗むというフィッシングメールも多い。

また、当然の対策としてセキュリティソフトウェアを導入することも重要だろう。導入にはある程度費用がかかるが、これはリモートワークなら当然の出費と言える。

専業主婦・主夫がいる場合

家にいる時間が多くなって、ケンカが多くなってしまったなんていうことも聞く。

専業主夫・主婦の仕事を増やさないようにしよう。

これはリモートワークによって発生する家事全般を自分でやることで解決する。コップを使ったら、洗って戻す。お皿を使ったら洗って戻す。何かを使ったら、使い終わった後に元の場所に戻す。

また、主婦・主夫の仕事の領域には口をはさまないようにするといい。自分の仕事に職場の人以外に「口出し」をされていい気分がする人はいないだろう。

家の仕事も同じ。

「掃除が行き届いていない」、「手抜き料理」などとコメントするのは仕事に対する口出しと変わらない。

不満がある場合は、指摘するのではなく、協力する姿勢を見せるとトラブルになりにくい。

掃除が行き届いていないなら、自分がその部分の掃除を行う。料理が手抜きだと思うなら、手伝ったり、料理に挑戦してみる。せっかく家にいる時間が多くなったのだから、指摘するのではなく、一緒にやろうという姿勢ならば楽しくなるはずだ。

さいごに

今回の新型コロナ騒動により、今後はリモートワークも広く採用されていく働き方になる可能性は高い。家にいて仕事ができて便利なのは確かだが、会社員である限り、使えない社員のあぶり出しにも使われることは十分に考えられる。しっかりと環境を整えて臨み、リモートワークを楽しんでもらいたい。